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挑戦ストーリー
CHALLENGE STORY
04
小野には想いをかなえる
挑戦の場がある。

新規事業提案制度「HOPE」

社員の挑戦を加速する
「Ono Innovation Platform」始動。

小野薬品が、持続的に成長するためには企業基盤の強化が欠かせない。中でも重要なのが、新たなイノベーション創出の源泉となる「人財」の育成である。そのためには社員の自発的な挑戦を後押しする企業風土の醸成が必要である。
2021年5月、従来の人財育成施策に加え、多面的かつ集中的にイノベーションを起こす場を提供するために、「Ono Innovation Platform(OIP)」を開設。担当者は言う、「OIPは挑戦に必要なスキルやマインドを習得する「学習の場」と「経験の場」、そして、社員自らの想いを起点として新たな価値創造に挑戦する「挑戦の場」、これら3つの枠組みから構成されています。今後、当社が持続的に成長を遂げるためには、イノベーションを追求する意思や資質を持った人財をより多く育成する必要があります。」小野薬品の未来に向け、イノベーション人財を育てる環境づくりが始まった。

一人ひとりの想いを実現するために。
ビジネスコンテスト「HOPE」

OIPにおける「挑戦の場」として位置付けられるのが、社員が新規事業の提案を行うビジネスコンテスト「HOPE」。『私たちのイノベーションへの挑戦が、患者さんやそのご家族の希望へとつながる』という願いが込められている。新規事業提案にあたっての条件は「小野薬品の企業理念である『病気と苦痛に対する人間の闘いのために』に合致していること」のみ。初年度である2021年は、事前の想定をこえる83名の社員がエントリーした。小野薬品の現在の事業領域にとらわれることなく、社員一人ひとりが持つ「この人を助けたい」「この課題を解決したい」という想いを出発点として、事業提案に挑戦する。事務局や社外パートナー企業の支援のもと、必要なスキルを身につけながら事業検証を進める、最長9か月のプログラムが走り始めた。

未解決の課題を我々はどう解消できるのか。
苦痛を抱えた人々向き合い続ける日々。

HOPEで最も重要視されるのが、「事業アイディアが想定する“顧客”(患者さんやそのご家族など、様々な苦痛を抱えた人々)の課題を自分ごととして共感し、解決するために粘り強く試行錯誤できる熱意」である。エントリーした社員の一人は、「困りごとを抱えた方々と繰り返し対話し、その真の原因や顧客の深層心理を深く丁寧に分析することで、「自分だけが知っている深い課題」にたどり着くことを目指しました。そしてその課題を解決するため、どのような顧客体験を実現すればよいのか、さまざまなアイディアを試作して顧客に使ってもらう。しかし、そう簡単に顧客に受け入れられるはずはなく、苦々しい経験も避けられない。それでも支援したい方々の顔を思い浮かべながら、あきらめずに解決策を考え続ける必要がありました。」と振り返る。

また、審査においては、小野薬品の未来を担う可能性があるだけに、提案は一定の基準で絞り込まれていく。多くの社員は中間審査を通過できなかったが、顧客に真剣に向き合った日々はかけがえのないものだった。ある社員は「活動を続けるほど、自分の想いが強くなりました。自分の夢を人に熱く語って共感してもらい、涙が出てくる経験は社会人になって初めてです。」と語った。

熱い想いをぶつける最終審査会。
その姿はまさに「企業理念の体現者」

最終審査会に臨んだ社員は5名。自身の業務の傍ら、9か月にわたって検討してきた事業案を発表する。最終審査会には経営トップも参加。小野薬品のトップと現場の社員が、一緒に未来の希望について議論する場だ。
5名は、いずれも自身の原体験や身近な人が抱える困りごとを着想の起点とし、いまだ解決されていない深い課題を見つけ出し、それを解決するための事業案を提案した。発表中、誰もが想いをこらえきれなくなり、涙を浮かべて語りかける。「この人たちを助けたい。この事業を進められるのは私しかいない。ぜひ、私に挑戦するチャンスをください!」
本当の使命感を抱いた者にしか発することのできない、熱い言葉が飛び出す。
最終審査の結果、事業化検討を進めるテーマとして3件が採択された。提案者3名は専任の担当者となり、自分自身の想いを実現するため、全精力を傾けて取り組む。

HOPEの価値とは何であろうか。社長が審査会の最後に語った言葉が、それを表しているのかもしれない。
「提案者の皆さんの熱意を感じ、たいへん感銘を受けた。小野薬品の未来に向けた取り組みとして、期待以上。どの提案も私たちが目指すべき企業理念を体現しており、未来を見据えた構想力を持ったものだった。」